恐れるということ

恐れる、ということは、否定的な現実を選択しているということです。

人はうまくいっているときでさえも、ついつい不安を抱き、今の好調は続かないかもしれない、という軽い疑念を持ち始め、だんだん不安が大きくなり、やがて恐れとなり、確信に達すると現実となります。この流れはなかなか途中で止めれません。人にとっては、こういう風に、下に落ちる滑り台に身をまかせることは努力の要らないいとも簡単なことであり、そのために必要な負の連想も安易な想像力で事足りうるので、誰もが陥りやすい罠なのです。

逆に考えれば、自らすすんで自分の未来に恐れるべきことが起こりうるなどと想像しないことが重要で、少なくとも、ふと湧き上がった軽い疑念の段階で完全に駆除してしまうことが必須です。

こんなにも負の想像力が豊かならば、反対に正方向、つまり望ましいことの実現を想像することに専念し、その過程となる連想を、負の時と同様に上手に具体的に思い描いて行けたなら、自分の世界の明るい可能性が広がるでしょう。

ある偉人が言っていたように、「恐怖は信頼の欠如」であり、自分の世界に恐れを招き入れる人は、自分の世界の変幻自在な特性への確信がない人だということです。