あなたを取り巻く罠 「働かざる者食うべからず」

あなたが生まれてから今まで生きてきた間に当然のように受け入れ当たり前と思っていること、言い換えれば常識、これらは誰かがあなたを隷属させるための罠かもしれません。


「生きるためには(生計を立てるためには)働かなくてはならない」ということは当たり前のことであり、大資産家やその子息でもない限り、人間は衣食住のために働かなくてはならないと誰もが思っているでしょう。ここでの勘違いは、自分自身と家族の衣食住のため以上に働くことが当然となっていることです。あなたたちが働いて生んだ利益のうち、なるべく多くを雇い主が回収し、あなたたちがそこで働くことを辞めないために考え抜かれた最低限度のみがあなたたちに給与されます。そしてあなたたちは、その最低限度の賃金のうちの一定を税金として引かれた後のかなりの多くの部分を必要限度を超えた衣食住やそれら以外の消耗品や趣向品の購入そして気晴らしに使います。そしてわずかに残した貯蓄分を預けた銀行は、あなたたちの預金を担保にその何倍もの架空のお金を他の誰かに貸し付け、利息とともに回収します。

つまりあなたたちは、資本家の利潤のために働き、企業家の利潤のために購買し、銀行家の利潤のために貯蓄しているのです。あなたたちの社会のために還元されると思い込まされている税金ですら、公共資金という名目で企業に還流されたり、国債の元本を賄わされた上でその利息を投資家の利潤として分配されます。

そして一方では、あなたたちが汗水たらして働いている間に、あなたたちがもたらした利潤の集積を所有し、働くことなく豪遊している人たちもたくさんいるのです。また、スーツにネクタイをして大企業の有望戦士気取りで颯爽と仕事をしている高慢な人たちもいますが、彼らは所詮体のいい小作人であり、まやかしの厚待遇を洗脳するに充分に組織化されるほど充分な規模の資本という耕作地を持った大企業という大地主の下で自己支出のスーツというユニフォームを着て得意気になりながらあくせくしている小ぎれいな小作人に過ぎません。


あなたたちが働いて生んだ利益のうちの、全部は難しいとしても、なるべく多くの部分をあなたが得て、またそのうちのなるべく多くの部分をあなた自身やあなたの家族のために利用する方法はあるかもしれません。