民主主義という偽善

一般の人たちが民主主義と思わされているものは、決して民主的ではない。

議会制民主主義は本当の意味では民主主義ではない、あるいは、民主主義は民主的ではない、とも言える。

民主主義は資本主義と表裏一体であり、資本家の利益ためには機能するが、民衆の利益のためには機能していない。国民の代表と思われている議員たちの中には昔からの特権階級が多くいて、資本家でもある特権階級の仲間や企業家たちの経済的支援を受け、利権を付与し維持または拡大することで報いてやり、その原資には民衆の税金が充てられている。民衆からは連続的に増税し、公共事業や公的保険や補助金などの名目、そしてときには復興事業と称して企業に還元し、消費税の裏からくりや法人税減税その他の特別措置減税により大企業の税負担を優遇的に減らしている。つまり、行われているのは資本家や企業家のための政治であり、民衆からの搾取である。民衆は企業に勤め、企業と取り引きすることによって搾取され、消費という名目で搾取された上に、国家からも搾取されているのだ。そしてさらに悩ましいことに、その国家は強力な国家に隷属しており、自国民からの搾取を献上さえしているのだ。

あなたの国家が隷属している強力な国家は、民主主義を世界に広めるという大義名分を振りかざして、軍事という暴力によって他国の資源を奪い続け、民主的ではない独裁軍事政権を傀儡に据えることを繰り返している。自国の資本家の利潤追求のために、他国の多くの民衆を軍事殺害し、奴隷化し、搾取する、というお決まりのスタイルを貫いている。

これが民主主義の顔だと胸を張る強力国家の実態であり、そこに隷属する子分国家の民主主義など、それ以上の見せかけでまやかしの国民搾取システム以外の何物でもない。

あなたはまだ、あなたの親分国家が自由と正義を追求する民主国家であり、あなたの住む子分国家は尊敬されるに値する知性と礼節を持った独立国家であると思い続けていられるほどうぶだろうか。